制作会社でイベント制作の現場を経験した後、広州・上海や北京にて日系企業のプロモーション、イベント、キャンペーンなどのプランニングに携わってきた髙田さん。2017年に電通ライブへ入社して以来、イベント領域にとどまらず、デジタル、PR、キャンペーン、空間づくりなど、より複雑で多様なプロジェクトに関わってきました。
髙田さんが語る電通ライブのプランナーの役割は、単に企画を考えることにとどまりません。クライアントと向き合い、チームを動かしながら、プランニングし、実現まで粘り強くリードしていくこと。AIの進化によってアイデアやコンセプトが生み出しやすくなった今だからこそ、リアルな体験として形にしていく実現力の重要性が、より一層高まっているといいます。
電通ライブのプランナーには、どのようなスキルやスタンスが求められるのか。これまでのキャリアを振り返りながら、プランニングの仕事のリアルに迫ります。
髙田 将志
制作会社でイベント制作に携わった後、上海拠点の立ち上げや中国でのプランニング業務を経験。北京電通に転職し、主に日系企業のアカウントプランナーとして、クライアントと直接向き合いながらプロモーションやイベント、キャンペーンなどの企画立案を担当。2017年に電通ライブへ入社。現在はプランナーとして、イベントをはじめ、デジタル、PR、キャンペーンなど多様な領域を横断するプロジェクトに携わっている。
クライアントと向き合いながら、プランニングの基礎を培う
――まずは、電通ライブに入社する前のキャリアについて教えてください。
髙田:電通ライブは3社目になります。最初はイベント制作会社に入社し、5年間現場で経験を積みました。その後、会社が上海に拠点を立ち上げることになり、現地に赴任しました。
上海では約2年間勤務し、その後、中国にあるデルフィス博報堂に半年ほど出向しました。出向期間を終えて元の会社の上海拠点に戻った後、ご縁があって北京電通に転職。そこで約3年間プランニングを担当し、2017年に電通ライブへ入社しました。
――北京電通では、どのような仕事をしていたのでしょうか。
髙田:主に日系企業のアカウントプランニングです。イベントやキャンペーンなど、プロモーション領域の案件が中心でした。電通ライブが手がけているプランニングにかなり近い領域を、中国の北京電通で経験していたと思います。
アカウントプランナーは、クライアントと直接対話を重ねながら、営業機能とプランニング機能の両方を担う役割です。自らクライアントと向き合い、課題をヒアリングし、戦略やクリエイティブを考えていく。そういう仕事に携わっていました。
――前職で培ったスキルや考え方は、どのようなものですか。
髙田:一番は、プランニングの基礎です。戦略のフレームやクリエイティブの考え方など、プランニングに必要な基本的な思考は前職で身につけました。
もうひとつ大きかったのは、優れたプランニングや企画に唯一の正解はないと実感できたことです。クライアントや担当者が置かれている状況や立場によって、求められる答えは変わります。だからこそ、相手の状況を踏まえながら、何が最適なのかを考え続ける必要がある。その感覚は、前職で培った大きな財産だと感じています。
クライアント対応と企画、その両立を求めて電通ライブへ
――電通ライブに転職したきっかけを教えてください。
髙田:当時、そろそろ日本に戻ろうと考えた時に、どんな会社に転職するか自分自身と向き合って出した結論は、クライアントとの対話だけでなく、プランニングにも主体的に関わりたいということでした。電通ライブであれば、クライアント対応とプランニング業務の両方に携われると感じ、その環境に魅力を感じて入社を決めました。
――入社してから、最初に戸惑ったことはありましたか。
髙田:中国での生活や仕事が長かったこともあり、日本に戻ってから新しい環境に慣れるのには少し時間がかかりました。特に、一緒に仕事をする協力会社の方々との関係性は、ゼロからのスタートでした。
電通ライブには、これまでに築かれてきた膨大なネットワークがあります。ただ、自分にとっては初めてお付き合いする会社ばかりでした。どの会社に何を依頼すればよいのか、それぞれの個性や得意領域をどう理解するか。そうした点には最初苦労しましたが、先輩に教わりながら、実務を通じて少しずつ学んでいきました。
――プランナーとしての仕事内容は、前職から変わりましたか。
髙田:まず大きく変わったのは、仕事のスケールです。前職ではイベントが中心でしたが、電通ライブに入ってからはイベント以外の領域にも関わるようになり、デジタル、PR、キャンペーンなど、扱う領域が広がりました。PR会社など、これまで深く関わる機会のなかった方々と一緒に仕事をすることも増え、案件の複雑さや関わる人の多さも格段に増えたと感じています。
もう一つ変わったのは、裁量の大きさです。前職と比べて、自分に一定の決定権があると感じる場面が増えました。企画の方向性をどう定めるか、そのために必要な協力会社さんはどこになるのか、など、関われる範囲が広がり、より主体的に仕事に向き合えるようになったと思います。
立場を越えて共創できた、大規模プロジェクトの経験
――電通ライブに入社してから、印象に残っているプロジェクトはありますか。
髙田:印象に残っている案件のひとつに、大規模なショールーム設計のプロジェクトがあります。通常は、クライアントがいて、電通がいて、その先に電通ライブが入るという座組みが多いのですが、その案件では電通ライブがメインに立ち、電通のクリエイティブチームや戦略チームに協力を仰ぐ形を取りました。
最初は、普段とは異なる座組みに戸惑いもありましたが、プロジェクトが進むにつれて、それぞれが持つ強みを発揮しながら、立場にとらわれず共創できているという手応えを感じるようになりました。お互いに妥協なく議論を重ね、同じ方向を目指していく中で、より良いものが形になっていく。最終的には、電通ライブへの信頼感の向上にもつながった案件だったと感じています。
――電通ライブの仕事で、やりがいや達成感を感じるのはどんな瞬間ですか。
髙田:最近特に感じるのは、企画を実現していくプロセスに、電通ライブの仕事ならではの醍醐味があるということです。今はAIに入力すれば、ある程度の答えやコンセプト、クリエイティブの方向性を導き出すことができます。もちろん、それ自体も非常に価値のあることです。ただ、それを実際に推進し、リアルな体験として形にしていくには、人を動かし、チームを動かし、最後までやりきる力が求められます。そのプロセスこそが、電通ライブの仕事における大きなやりがいであり、面白さだと感じています。
――一方で、大変さや厳しさはどこにありますか。
髙田:企画を立てた後、それを最後まで実現しなければならないところです。実現の過程では、フィジビリティや予算、スケジュールなど、さまざまな制約に直面します。その中で、当初の企画の方向性が変わることもあります。そうした状況で少しでも妥協してしまうと、最初に思い描いていたものよりも魅力の薄い仕上がりになってしまう。だからこそ、最後の最後までこだわり続け、考え続け、作り切ることが求められます。そこが大変な点でもあり、同時にこの仕事の面白さでもあると感じています。
――正解がない中で、どのように進むべき道を見つけていくのでしょうか。
髙田:クライアントとの対話を丁寧に重ねていく、これに尽きると思っています。クライアントの中にも明確な答えがないこともありますし、私たちも最初から絶対的な正解を持っているわけではありません。最終的に頼りになるのは、人と人とのコミュニケーションです。対話を積み重ねる中で、どこに落としどころを見出すのかを探っていく。そのプロセスこそが、プランニングにおいて非常に重要なのだと思います。
意見が異なっていても、全員が本気で向き合う瞬間が楽しい
――仕事をしていて、特にテンションが上がる瞬間はありますか。
髙田:チームで企画を考えている時に、みんなの熱量が高まる瞬間があります。アイデアを出し合う中で、「僕はこう思う」「私はこう思う」と意見のラリーが続き、コミュニケーションにどんどん熱が入ってくる。そういう時間はとても楽しいですね。それは社内メンバーとの間でも、クライアントとの間でも同じです。全員が同じ方向を向いていると実感できた時が、いちばんテンションが上がる瞬間かもしれません。
必ずしも、最初から意見が一致している必要はありません。むしろ、異なる意見があるからこそ議論が深まり、盛り上がることもあります。
立場や考え方が違っていても、全員が本気で向き合っている。その感覚こそが、自分にとっては一番燃えるポイントです。
――さまざまな企業を経験されたなかで改めて電通ライブならではの強みは、どこにあると感じますか。
髙田:やはり、電通グループとしての組織力の強さは大きいと感じます。
大規模なプロジェクトに関われる点もそうですし、クリエイターやコピーライターをはじめ、グループ内に多様な専門性を持つ人材が揃っていることも大きな強みです。
加えて、さまざまな経験を持つ社員のナレッジが蓄積されている点も魅力です。
この業界は、どこまでいっても人が財産だと思っています。その人が持つ経験や知見、ノウハウに手を伸ばせば届く環境がある。それこそが、電通ライブならではの強みだと思います。
自分の武器を持ちながら、領域を越えてプロジェクトをリードする
――プランナーとして、大切にしているスタンスはありますか。
髙田:自分がプロジェクトをリードするのだという姿勢は、とても大切にしています。プロジェクトには営業、クリエイティブ、PRなど、さまざまなプレイヤーが関わります。その中で「自分の役割はここまで」と線を引いてしまうと、それ以上の広がりは生まれません。自分の担当領域でなくても、「自分はこう思う」と意見を出していく。ある種、領域を越えながらプロジェクト全体をより良い方向へ導いていく意識を持つようにしています。
――一方で、プランニングという専門性を軸に中途入社される方の中には、実装や実現まで領域を広げることに不安を感じる方もいるかもしれません。
髙田:それはとても自然なことだと思います。プランニングとひと言で言っても、企画やコンセプトを考えるのが得意な人もいれば、実現に向けた設計や進め方を考えるのが得意な人もいます。たとえば、ゼロからメニューを考えるのが得意な人と、その調理方法を考えるのが得意な人がいるようなものです。すべてを同じレベルでできる必要があるとは思っていません。
大切なのは、自分がどこに強みを持っているのかを理解したうえで、周囲の領域にも目を向けていくことです。
自分の軸を伸ばしながら、少しずつ視野を広げていく。その結果として、プロジェクト全体への関わり方も自然と広がっていきます。何でもできます、何でもやりますというだけでなく、「自分は何者か」を語れること。
その武器を持ちながら越境していくことが、プランナーとして大切なスタンスだと思っています。
――今後、どのようなプランナーを目指していきたいですか。
髙田:これからの時代、0から1を生み出す力には大きな価値があると感じています。
電通ライブには、1を100にしていく実現力や推進力がありますが、今後さらに領域を広げていくためには、自分たちで企画を立ち上げ、構想していく力も重要です。
クライアントからの要望に応えるだけでなく、自分たちから「こんなことをやりたい」と発信し、その実現に向けてクライアントやパートナーを巻き込んでいく。そういう仕事にも、これからもっと積極的に挑戦していきたいと思っています。