電通ライブはどんな会社で、これからどこへ向かっていくのか。代表取締役社長の中邨正人と、入社14年目の青柳裕士、入社5年目の山本真優が、働き方のリアルから会社の強み、成長環境、これから目指す姿まで語り合いました。
経営と現場の距離を縮め、みんなで会社をつくっていく
−はじめに、青柳さんと山本さんの現在のお仕事を教えてください。
2013年に入社し、ポップアップストアや常設施設などの空間系の仕事から、ステージイベントまで幅広く携わってきました。2026年から経営推進局のネクストビジネス開発部に異動し、現場の仕事を続けながら、新しい事業を考える仕事にも取り組んでいます。
2022年に入社し、今は第一プロデュース局で化粧品や生命保険会社などの仕事を中心に担当しています。最近はクライアントと直接やり取りをしながらプロジェクトを動かす機会も増えてきました。
−お二人は、普段、中邨さんと話す機会はありますか?
私は今年、経営推進局に異動したこともあり、以前より中邨さんをはじめとする経営の皆さんと話す機会はかなり増えたと感じています。会社が何を考えているのかを知る機会も多いですし、経営との接点自体が増えている印象があります。
私は仕事で中邨さんと直接ご一緒することはありませんが、「オープントーク」でお話ししたり、質問したりする機会があります。
−オープントークとは?
私を始め役員と社員が、部署や年次を越えて率直に意見を交わす場です。私は、ビジネスのヒントやチャンスは現場にあると思っています。だからこそ、年齢や役職に関係なく、お互いにリスペクトを持ちながらフラットに話せる環境をつくり、現場の生の声が経営に届くようにしたい。逆に、経営が何を考えているのかも、できるだけ直接社員に伝えたいと考えています。そのための一つの機会として、3カ月に1回ほど、本社や関西、名古屋などでオープントークを開催しています。
現場で働く側としても、経営層と直接コミュニケーションをとれる機会が増えるのは嬉しいですね。
オープントーク以外にも、社員からの発案で、部署を越えて参加できるランチ会を始めました。経営方針についても、年度の最初に発表して終わりではなく、途中のレビューも含めて共有しています。経営がどんな課題を持ち、何に取り組もうとしているのかを見えるようにする。それをきっかけに社員の声を聞く。そういった取り組みを今後も増やしていきたいと思っています。
働き方の自由度は高い。でも、変えていかなければならないこともある
−山本さんは、入社前に抱いていたイメージと、入社後にギャップを感じたことはありますか?
良い意味で驚いたのは、働き方の自由度が高いことです。社会人になる前は、毎日決められた時間に会社に行って働くイメージを持っていました。でも電通ライブでは、自分の予定や仕事に合わせてリモートワークを使ったり、時間を調整したりできます。例えば朝は自宅で仕事をして途中から会社に行くなど、上長と相談しながら柔軟な働き方をしている社員も多くいます。
一方で、イベントの仕事は本番に向けて細かいところまで考え、緻密に準備するので、どうしても時間がかかってしまう側面があります。そこは会社としても、変えていこうとされているのかな、と感じています。
そうですね。AI活用をはじめとする新しいツールも全社で導入を進めていますし、仕事の進め方そのものを見直しています。
例えば、「必要のない会議はなくそう」といったことも、現場でかなり意識されるようになりました。私たち自身、「この仕事はもっと効率化できないか」と考える機会が増えています。
働く時間の融通が利くというのは、私も実感しています。私自身、朝に子どもの支度や見送りをしてから仕事を始めるといった働き方ができています。ただ、イベントは多くの人が集まり、一緒に動くことで成り立つ仕事でもあります。本番には何百人、時には何千人というスタッフが関わり、その全体を動かしていく。そこは電通ライブの強みである一方、責任も大きい仕事です。その強みは大切にしながら、もっといろいろな働き方や事業の形をつくっていく必要があると思っています。
今は社会もクライアントの事業も、大きく変化している時代です。AIの進化や自然災害、コロナ禍などを経験し、人の価値観も変わりました。イベントやスペースに求められる価値も、当然変わっています。それでも、変わらないのは、人の気持ちを動かすことや、社会やクライアントの事業が変わるきっかけをつくること。私たちは「リアル」を扱う会社です。人が集まる場をつくり、そのために細部まで準備し、本番では瞬時に判断して動く。そこには人にしかできない仕事がたくさんあります。
だからこそ、人が担う仕事の価値を高めながら、AIやデジタルに任せられるものは任せる。電通ライブ自身も、仕事の進め方やビジネスの形を変え続けなければならないと思っています。
「言われたことを超えていく」。緻密さと実行力が、電通ライブの強み
−皆さんが感じている、電通ライブならではの強みを教えてください。
まずは「やり切る力」だと思います。イベントの本番を具体的に想像して、「ここでこういうことが起きるかもしれない」「だったら、こうしておこう」と先回りして考える力はみんな強いですよね。もう一つは、電通グループのネットワークです。規模が大きかったり、実現の難易度が高かったりする仕事にも挑戦できる環境があります。
以前、通信会社の新技術に関するプロジェクトに携わりました。当時はまだ技術的にも不確定なことが多い時期でした。その技術をパブリックビューイングで使うために、システムの構成を一緒に考えたり、どうすれば安全に実施できるかを検証したりしました。新しい体験を成立させるために、さまざまな障壁を乗り越え、あらゆるリスクを考えて準備する。そういうチャレンジングな仕事を経験できたことは印象に残っています。
私は「緻密さ」が大きな強みだと思います。実際にクライアントからも、「電通ライブは細かいところまで計画してくれる」「悩みに細かく寄り添ってくれる」と言っていただくことがあります。車の運転でいう「かもしれない運転」に近いのかもしれません。「こんなことが起きるかもしれないから、対策しておこう」と、いろいろなケースを想像します。
−その緻密さは、どうやって身につけていくのでしょうか?
先輩を見て覚えていく部分が大きいと思います。最初の頃は、「そこまで考えるんだ」と驚きました。
私が後輩のトレーナーをしていた頃は、最初のうちはメールもすべて確認していました。ちょっとした言葉のニュアンスでも、受け取る人の印象は変わりますから。
資料も細かく見てもらいます。レイアウトやフォントなど、本当に細かなところまでです。どの先輩についても丁寧に見てもらううちに、自分も自然とそうなっていきました。
結局、それは「ホスピタリティ」なのだと思います。クライアントに対しても、スタッフに何かを伝えるときも、相手が受け取りやすいように考える。それを先輩から後輩へ、ずっと受け継いできたのでしょうね。
電通ライブの仕事は、単に頼まれたイベントや空間を制作することではありません。クライアントの事業の根幹にある課題や、これからどう成長していきたいのかというところから一緒に考え、最終的に形にするところまで関わっていく仕事です。マーケティング施策としてイベントをつくることもあれば、新しい商品やサービスの実証実験を一緒に行うこともある。クライアントの社員の皆さんの気持ちを動かす場づくりを担うこともあります。言われたものをそのままつくるのではなく、「その先に何が必要なのか」まで考えて、最後まで実装する。それが、先輩たちから受け継がれてきた電通ライブのDNAなのだと思います。
若手のうちから任される。経験を土台に、キャリアの選択肢も広げていく
−山本さんは先ほど、「成長できる環境も電通ライブの強み」と話していましたね。具体的に、どのような環境があるのでしょうか?
3年目のときに、初めて自分が中心になって担当した案件があります。100人くらいスタッフがいる現場で、自分で朝礼をしたり、全体に指示を出したりしました。最初は不安でしたが、そのときの部長が「何かあったら自分が責任を取るから、まずやってみよう」と背中を押してくれました。
ただ任せるのではなく、後ろで支えてくれる人がいる。だからこそ思い切ってチャレンジできましたし、一つの現場をやり切れたことが自信にもつながりました。
私も山本さんと同じくらいの年次のときに、一人で任される仕事が増えました。それまでは先輩のアシスタント的な立場だったのが、自分がフロントに立ってクライアントと話すようになる。自分が話したことが、そのまま電通ライブとしての答えになる。その責任を感じながら経験を重ねたことが、成長につながったと思います。
−山本さんは、これからどんなふうに成長していきたいですか?
直近の目標は、「電通ライブにお願いしたい」だけではなく、「山本さんにお願いしたい」と言っていただけるようになることです。最近は、クライアントや営業の方から新しい案件のお声がけをいただく機会も増えてきて、それが自信にもつながっています。そのためにも、言われたことをやるだけではなく、一歩先を考えられる人になりたい。クライアントが何を望んでいるのかを、自分の経験を生かしながら考えられるようになりたいと思っています。
もう少し先では、現場の経験を生かしながら、会社全体を支えるような仕事にも関わってみたいです。私は就職活動の頃から、仕事だけではなく家庭も大切にしたいと話していました。今も学生から「結婚や子育てをしながら働いている人はいますか?」と聞かれることがありますが、電通ライブにはいろいろな選択肢をつくっていける可能性があると思っています。
私も今、新しい事業を考える立場になったことで、仕事そのものの選択肢をもっと増やせるのではないかと考えるようになりました。現場の最前線でイベントをつくる仕事か、会社を支える仕事か、という二択だけではなく、電通ライブの強みを別の形で生かす事業ができれば、3つ目、4つ目の働き方も生まれるかもしれません。
まさに今、そういう環境をつくり始めています。一人がすべてを抱えるのではなく、仕事を分けてチームで行うことで生産性を高めることもできる。役割を変えることで、ライフステージに合わせた働き方もしやすくなるかもしれません。仕事への情熱を持ちながら、人生の状況に応じて役割を変えられる。そういう選択肢を経営としても、もっと増やしていきたいですね。
「人生をかけられる会社」でありたい
−これから、電通ライブをどんな会社にしていきたいですか?
ひと言で言うと、社員にとって「人生をかけられる会社」でありたいと思っています。自分が人生をかけてもいいと思える。そのベースにあるのは、毎日の仕事が楽しいか、充実しているか、成長を実感できるか、チャレンジできているかが大事。そういった機会を提供し続けられる会社でありたいですね。
それから、クライアントに対しては、中長期でどう成長していきたいのか、そのために何が必要なのかを一緒に考えられる存在でありたいですね。時には「こうした方がいいのではないか」とこちらから提案し、一緒に価値をつくる。その積み重ねが、結果として電通ライブ自身の成長にもつながると思っています。
私自身、この仕事を続けられているのは、やはり好きで、楽しいからだと思います。誰かと一緒に何かをつくりながら、毎回さまざまな規模や特長を持つプロジェクトに挑戦させてもらってきました。今はさらに、これまでの経験を使って「新しい仕事をどうつくるか」ということにもチャレンジできています。そういう機会を生かしながら、自分でも何か新しいものを残していきたいと思っています。
「人生をかけられる会社」という言葉は、とてもいいなと思いました。私は電通ライブって、「人がいい会社」だと思っています。会社に求めるものは人によって違いますが、一緒に働く人との関係が心地よくなければ、「この会社で働き続けたい」とはなかなか思えない。電通ライブは、人と人が一緒につくる仕事なので、人そのものが会社の財産だと思います。そこは大きな強みだと思います。
「人生をかける」といっても、一つの会社にずっといなければいけない、という意味ではありません。この会社で学んだことを生かして次のチャレンジをする人もいるでしょうし、人生の節目で働き方を変える人もいると思います。それでも、「電通ライブで過ごしてよかった」と思ってもらえる会社でありたい。一度仲間になった人の人生を、素直に応援できる会社にしたいと思っています。
−どんな人が電通ライブに向いていると思いますか?
電通ライブには本当にいろいろな人がいるので、一つに決めるのは難しいのですが、人と関わることが好きな人、人に興味を持てる人は、きっと楽しいと思います。私たちの仕事は、一つの目標に向かって、クライアントや社内のメンバーだけでなく、演出や施工、運営など、さまざまな領域のプロの方と一緒に進めていきます。こちらが仕事をお願いする立場だから偉い、ということではありません。いろいろなプロの知恵や技術を借りながら一緒に成功をつくっていくので、相手に対して謙虚で、素直に学べることも大切だと思います。
私は、与えられた仕事だけではなく、その周りにも興味を持てる人がいいと思います。隣で何をやっているのだろう、あの人は何をつくっているのだろう、と気になる人。電通ライブにはさまざまな専門家や仕事があるので、周辺に興味を持つほど、自分の仕事にもつながっていくと思います。それから、人と一緒に何かをつくることや、それによって誰かが喜ぶことを楽しめる人も向いていると思います。
就職活動では、ぜひ業界を絞りすぎず、いろいろな会社を見てほしいですね。その中で自分が何を好きなのか、何が得意なのかを考えた上で、電通ライブを選んでもらえたら嬉しいです。
電通ライブは、かなりユニークな会社だと思います。リアルを起点に、クライアントのマーケティングや事業に寄り添い、オーダーメイドで形にしていく。そのために、さまざまな専門領域の人と力を合わせて最後までやり切る会社です。だから、人を喜ばせることが好き、人が好き、ものづくりが好きという気持ちは大切だと思います。
一方で、華やかなイベントだけをイメージして入ってくると、ギャップがあるかもしれません。現場で備品の数を確認したり、必要なものを一つひとつ準備したりする仕事もあります。考えるだけではなく、自分で手を動かす場面が非常に多い仕事です。
ずっとデスクに座って仕事をするという感じではないですね。細かな準備も含めて、自分たちで動くことがたくさんあります。
そうですね。私たちは、先回りして考えるだけではなく、必要だと思ったら率先してその中に入り込み、自ら動いていく仕事です。頭も身体も動かしながら、たくさんの人と一緒に最後までやり切る。その先で、人の気持ちが動く瞬間をつくりたい。そんな仕事にチャレンジしたい人に、ぜひ来てもらいたいと思っています。