DENTSU LIVE | 電通ライブ

拠点を超えて共鳴するアイデア。
「L!VE ON PROJECT」がもたらす
化学変化とは?

  • April / 13 / 2021

2020年10月に電通ライブで立ち上がった社内横断型プロジェクト「L!VE ON PROJECT」。New Normal時代の新しい体験創出にチャレンジすべく、年次や部署、そして拠点も越えたコミュニケーションが生まれています。

今回は同プロジェクトのサポートメンバーである、東京本社の梅枝真衣、関西支社の中辻謙一、名古屋支社の河合はるかに、プロジェクトを通して生まれている変化や、具体的なアクションについて聞いてみました。

 

各拠点で生まれていた、「何かできることはないか?」

―はじめに、「L!VE ON PROJECT」に参加した経緯をそれぞれ教えていただけますか?

中辻:もともと関西支社では、2020年に緊急事態宣言が発出されたタイミングで「何か次の手を打たなければ」という課題意識から、部署や年次を越えて情報共有や勉強会を行うタスクフォースを立ち上げていました。そこでは週次でオンラインミーティングを実施し、みんなが持っている強みや事例、アイデアなどを共有し合い、ディスカッションをしたりアウトプットを模索したりしていました。そのタスクフォースに名古屋支社の河合さんも入っていただいたんですよね?

河合:はい。コロナ禍で全社的にスタートした「ライブノラジオ」という社内向けラジオに出演したことがきっかけで、中辻さんに声をかけていただきました。関西と名古屋は距離が近いはずなのに、話してみると意外と知らないことが多く、フランクに情報交換する中で自然に東名阪のつながりが生まれてきました。

梅枝:その頃、東京では前回のインタビューにもあったようにTeamsのスレッドで「この時期だからこそ、何かできることはないかな?」という議論が盛り上がり、そこに私も参加していました。すると、「関西と名古屋でも同じようなことを考えている人たちがいるらしいよ?」という噂が流れてきて(笑)。他のチームでも似たような動きが生まれていたので、みんなに声をかけて徐々に一緒に活動するようになりました。

―部署や年次だけでなく、地域の壁も越えて活動していく中で、生まれた変化や気付きはありますか?

河合:東京、関西、名古屋でミーティングの進め方や空気感がけっこう違うんですよね。例えば、関西はアットホームで雑談しながらアイデアを生み出していったり。

中辻:議題とまったく関係ない日常の話をしたり(笑)。

河合:すごく良い空気感ですよね。もちろん、地域で一括りにできることではなくて、人によって打ち合わせのやり方、議事録の作り方ひとつ取っても異なるので、それが見られるだけでも若手にとっては刺激になります。

梅枝:私は部署柄、関西との交流も度々あったので、支社のこともよく知っているつもりでした。でも実際に「L!VE ON PROJECT」で色々な人たちと交流するようになると、知っていたのはほんの一部でしかないし、自分の中で勝手にイメージを作っていた部分もあったのだと気付かされました。

河合:わかります。東京は「カッコいい人たちの集まり」っていう先入観を持っていました(笑)。今もそのイメージは大きく変わらないですけれど、フラットにコミュニケーションしていくことで、一人ひとりの個性や強みがより具体的に見えてきました。

中辻:社内にいるタレントの多さを発見できましたよね。

 

全社アンケートで、社員の強みや個性を見える化

―プロジェクトを通してタレントの多さを発見できたとのことですが、具体的にどうやって社員の強みや個性を見つけているのでしょうか?

梅枝:色々とあるのですが、個人的に便利だと感じているのが「Milanote」というツールです。もともとTeams上で生まれたプロジェクトを経緯も含めてストックし、見える化するためのツールとして活用し始めたのですが、その一環として全社員にアンケートを取ったんです。

河合:「L!VE ON PROJECT」は社員全員のプロジェクトなので、私たちサポートメンバー以外の人たちの意見や考えていることも可視化したいという思いがありました。

梅枝:その中で、自分が得意なことや好きなことも答えてもらったんですよね。結果を見ると、「こんな特技を持っている人がいるのか!」と驚きの連続で。

中辻:めっちゃ分かります。これまであまり公言していなかった特技やバックグラウンドを書いてくれた人もいますからね。

梅枝:「この分野に詳しい人いないかな?この案件、得意な人いないかな?」と考えるとき、今までは自分のつながりの中でしか探せなかったのですが、選択肢が一気に広がりました。助けてほしいときに投げかければ、社内に答えを持っている人が必ずいるという心強さ、会社としての強さを感じています。

河合:博物館の学芸員の経験があったり、ダンスがめっちゃ得意だったり。実際に社会福祉士の資格を持っている人にシニアプロジェクトの相談をする動きなども生まれていて、これまで活かしきれていなかった社員の才能や興味を一気に引き出すことができるようになりましたよね。

中辻:ヨーヨー検定員とか、どんな資格!?って思うものもいっぱいありますよね(笑)。でも、このプロジェクトはみんなが主体的に参加することが重要なので、一人ひとりの興味や持っているものと向き合うことが大切なんです。社員の個性を見える化できたことは、大きな一歩ですよね。

 

「L!VE ON PROJECT」から生まれた「検温のエンタメ化」プロジェクト

―「L!VE ON PROJECT」の中から生まれたアイデアやプロジェクトを教えていただけますか?

河合:月1回、「L!VE ON VOICE」というウェビナー形式の社内共有会を設けているのですが、そこで私が仲間と一緒に発表したのは「検温」と「ARフィルター」を掛け合わせたアイデアです。今や、あらゆる施設で入場時の検温は当たり前のものになりつつあります。でも、コンサートやイベントでワクワク感が昂っているとき、検温があると一気に現実に引き戻されてしまうと思ったんです。そこで、検温機器にARフィルターを取り入れることで、検温画面にキャラクターが登場するとか、好きなアイドルが耳元で「36.5C°だよ」と囁いてくれるとか(笑)、検温という行為自体をエンタメ化できないかと考えました。

中辻:イベントや空間を感動体験に変えるという、電通ライブの理念にマッチしたすごく良いアイデアですよね。

河合:発表時は「どうビジネスにするか?」という部分が見えていなかったのですが、発表後に検温機器メーカーとコネクションがある人から情報共有してもらったり、マネタイズ化するためのアドバイスをいただけて、実際にプロジェクト化に向けて動き始めています。

中辻:このアイデアは若手起点のものですが、他にも関西支社の大先輩が新しいプロジェクトを発表してくださったり、電通グループの中にあるソリューションや取組みとの協業を企画したりと、さまざまなレイヤーからアイデアが生まれているのが良い傾向ですよね。

梅枝:個人的に応援したいなって思ったのが、2年目の若手が発案した「協力会社でのインターン制度」。コロナ禍もあって、なかなか現場で経験を積む機会が少ない中、照明会社や什器メーカーなどの協力パートナーに身を置くことで実際のモノづくりを学びたいというもの。自分が不安に感じていること、課題だと思っていることを全社に向けて発信してくれたことに意味があるし、これを発表して終わりではなく、形にするところまで持っていくのが私たちサポートメンバーの役割だと改めて感じました。

 

思いを発信できる人、その声に耳を傾けてくれる人が増えた

―「L!VE ON PROJECT」をきっかけに、会社全体に少しずつ良い変化が生まれているように感じたのですが、その実感はありますか?

中辻:今まで自分の思いやアイデアに蓋をしていた人たちが、発信できる空気感が生まれているような気がします。もちろん全員ではないですが、少しずつ声を出せる人が増えて、耳を傾けてくれる人も増えてきましたよね。正直、これまでは自分が携わっていない案件はどこか他人事のような意識があったかもしれません。それがどんどん自分ゴトになっていくし、場合によっては自分も参加することだってできる。この変化は、意外と今までなかったんじゃないかと思います。

河合:実際に携われるかどうかは別にして、少なくとも自分が関わりたいと思ったらチャットで気軽に参加できる雰囲気がありますよね。

梅枝:みんなも自分が好きなこと、得意なこと、自分が持っているネットワークを惜しみなく共有してくれるようになった気がします。

河合:年代、部署、地域に関係なく、アンケートで集まった社員のプロフィールを見て、チーズのことはこの人に聞いてみよう!焼き鳥の案件はこの人に相談してみよう!とフラットに考えられるようになったことは大きな変化ですよね。

中辻:本当にそう思います。チーズとか焼き鳥とか、例が偏っているのは気になるけど(笑)。

 

<プロジェクトロゴ>

プロジェクト名には“既存の領域に新たな価値をプラスオンしていく”“新たなマインドでビジネス創出に取り組んでいくスイッチを「ON」していく”など、未来に向けた電通ライブの決意が込められています。

 

「L!VE ON PROJECT」を企業文化にしたい

―今後さらにプロジェクトを活性化させるために、どのようなアクションが必要だと思いますか?

河合:「LiVE ON PROJECT」から生まれたプロジェクトの担当者にヒアリングしたところ、「アイデアを出す段階では自由にやりたいことを言えるけれど、実際にプロジェクト化して動き始めると当然ながら責任が出てくる。チームや部署を越えたメンバー構成だと、各々が抱えている業務量や、得意/不得意な作業がわからなかったりする」というフィードバックを頂きました。そこはサポートメンバーも一緒に考えていかなければならない課題だと感じています。

梅枝:組織が大きくなるほど、マネジメントの役割が重要になりますよね。通常業務との折り合いがつかないと、結局「L!VE ON PROJECT」が後回しになっていき、どんどん停滞してしまいますからね。

中辻:このプロジェクトは、ロングテールで継続すべきもの。短期的に何かを生み出すことにこだわるのではなく、何か新しいことを生み出すときの起点としてずっと寄り添い続けて、やがて企業文化として定着していけると良いなって思っています。

梅枝:色々なアイデアが集まる中で、「マネタイズはどうするの?」「クライアントはどこにいるの?」という課題にぶつかっているものもたくさんあります。そこを乗り越えることができれば、個人のビジネスパーソンとしても、組織としても強くなれると思います。

河合:そうですよね。イベント/スペースという枠組みを越えるアイデアも生まれているので、それを実際にプロジェクト化して世の中に価値提供できれば、会社の可能性も拡がっていくと思うんです。もしかすると10年後、電通ライブはイベント/スペースの会社じゃなくなっているかもしれない。そのきっかけが「L!VE ON PROJECT」だった。そんな未来も素敵だなって思います。

中辻:二人のコメントが的確過ぎるので、僕からはもう何も言うことはありません(笑)。こんなに話していますけれど、実は対面でお会いしたことがないんですよね。

梅枝:そうなんですよ。中辻さんが本当に実在する人なのか、AIなのかはまだわかりません(笑)。

中辻:コロナが落ち着いたら、リアルで集まって対面でも議論したいですね。

梅枝:ぜひぜひ!合宿したいです(笑)。

河合:行きましょう!チーズと焼き鳥持っていきます!

中辻 謙一(なかつじ けんいち)

電通ライブ リージョンユニット プロデューサー/プランナー

2007年電通テック入社。イベントを起点とした統合的なソリューション企画・設計を中心に、領域に捉われない360°の体験デザインを核として、プランニング・プロデュース業務に取り組む。電通ライブでは音楽を通じたコンテンツビジネスにも携わり、行政や企業とのコラボレーション開発も実践。また、グローバル企業の国内ローンチやコミュニティ運用のファンマーケティングなどの実績多数。未来の顧客体験を考えるイベントのDX化など、オールラウンドでの価値創出に取り組む。

梅枝 真衣(うめがえ まい)

電通ライブ クリエーティブユニット プランナー

2017年電通ライブ入社。プロモーションイベント、B to Bイベント、施設・ショップ等のプロデュース現場を経て、マーケティングプランニングに従事。中央省庁、地方自治体から自動車や食品メーカー、エンタメ業界まで幅広く担当。電通食生活ラボのメンバーとしても活動中。イベントの枠にとらわれず「新しい仕事を作る」ことを目指している。

河合 はるか(かわい はるか)

電通ライブ プロデュースユニット プランナー

2018年電通ライブ入社。名古屋を拠点に、イベントプロモーション領域で、プランニング・プロデュース業務に携わる。自動車関係の大型展示会の演出、スポーツイベントの運営を経験。「誰も取り残されないイベント」をモットーに、インクルーシブな視点を大切にしている。支社の垣根を越えたコミュニケーションを通じて、まだないコラボレーションの可能性・ビジネス展開を模索中。