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友ヶ島第3砲台美術館

  • 和歌山県和歌山市
  • October / 04 / 2019
  • 和歌山県・友ヶ島

無人島の戦争遺産を、美術館に。

太平洋戦争から75年。戦争体験者が少なくっている中、戦時中の歴史を伝える”戦争遺跡”の重要性は増しているものの、その維持/管理が大変なことから、それらは日本全国で手つかずのまま放置され風化や解体が進んでいる。

そして、和歌山市・紀淡海峡に浮かぶ無人島「友ヶ島」でも同様の課題を抱えていた。

旧日本軍の軍事施設が保存状態よく残っており、土木遺産に指定されてはいるものの、最低限の維持管理のみで”廃墟化”の一途を辿っていた。

我々は”平和的な二次利用”をコンセプトに、軍事施設(戦争)を美術館(アート)として観光資源化することで、施設の維持管理体制を整えながら、施設の持つ歴史や文化的背景を後世に受け継ぐことに挑戦。施設の特性を活かし、廃墟が作り出す暗闇の中でわずかな光に目を凝らしながら自らの力でアート作品を見つけ出して鑑賞する”廃墟ミュージアム”として開館。

開館記念として、友ヶ島の歴史を題材にした物語を体験する企画展「ヤミツク」を開催。暗闇を探検するという都会では味わえないプリミティブな行為。暗い戦争の時代から時を止めた空間で現代に産声をあげた作品に出会うという”ストーリー性を持った新しいアート体験”が評価され、NHKを始め多くのテレビ・美術雑誌・観光ガイドなどで露出。来島者の増加に貢献するとともに、友ヶ島の存在、戦争遺跡としての歴史に再び光を当てることに成功。

照明設備は勿論、看板やサインを新たに取り付ける代わりに、AR技術を駆使して、作品紹介や経路案内といった全てのインフォメーションを音声情報として空間内にプロット。貴重な施設を一切傷つけることなく美術館に変えることができた。

友ヶ島第3砲台美術館

和歌山県和歌山市

2019年10月4日〜
和歌山県・友ヶ島