2017/08/15
OBAYASHI VISION SHOWCASE 2022
- 株式会社大林組
- December / 02 / 2022
- 東京会場:東京国際フォーラム/大阪会場:コングレコンベンションセンター
大林組創業130周年記念。オン・オフハイブリッドによる大規模なグループ総合展示会。
大林組創業130周年を記念して、大林グループ総合展示会を実施。
電通ライブではイベントの空間演出、会場施工を担当。企画、コンテンツ、ウェブ制作、運営などを手掛ける電通・電通プロモーションプラスと協働し、電通グループとして本展示会の企画〜実施までを幅広く担ったプロジェクトである。
大林組のブランドビジョンである「MAKE BEYOND つくるを拓く」について、展示会のテーマは「つくるを拓こうと、大きく動き出している大林グループの今とこれから」に焦点をあてたものとし、全体を3領域(CASE)・8テーマに設定。また「ものづくり」を進化させる技術と取り組みを100のテーマに厳選して紹介する構成であった。
100の技術と取り組みを展示した会場内では、中央にオンライン配信されるスタジオを設置。スタジオ内では様々なプログラム配信を行っており、本格的なOMO型(オンライン・オフライン融合)の展示会を電通グループにて実施。来場者には大林組が様々な開拓型・サービス提供型の企業としての取組みをご理解いただける場所となった。
ブース毎には社員の方が説明員として立ち、多くの来場者に自社の取組みとこれからを魅力的に伝えることができた展示会となった。






OBAYASHI VISION SHOWCASE 2022
株式会社大林組
東京会場:2022年10月19日~21日/大阪会場:2022年11月30日~12月2日
東京会場:東京国際フォーラム/大阪会場:コングレコンベンションセンター
JIMTOF2022 ジェイテクトブース
- 株式会社ジェイテクト
- November / 13 / 2022
- 東京ビッグサイト(国際展示場)
「価格を削れ、品質を削るな。」の想いを込めて、ブランド統合により新しくなったジェイテクトの「かつてない生産性、抜群の品質、こだわりの操作性」をJIMTOFで発信
4年ぶりのリアル開催となった、世界4大工作機械見本市のひとつ「日本国際工作機械見本市 JIMTOF 2022」。
ブランド統合により新しくなったジェイテクトとして「価格を削れ、品質は削るな。」をキーワードに、機能を高めながらもお求めやすい良質廉価なJTEKT製品を東館、西館2ブースで出展。
当社はテーマの異なる2ブースのコミュニケーション設計から各ブースデザイン、施工、映像制作、ステージ進行と多岐にわたり担当。
ブランド統合による「顧客にとってのメリット」を機器性能だけでなく、グループ総力の強さとして洗い出し、ビジネス領域の拡大やアフターケアの強さなど顧客目線で訴求できるような体験を設計。また、プロダクトを販売して終了ではなく、ずっと続いていくパートナーとしてのJTEKTの強みをブース各所で展開した。
製品が目立ち、アクセスしやすい導線設計、BtoB展示会で際立つカラフルなブースデザインやステージコンテンツ等がアイキャッチとなり多くの来場者を誘引することに成功した。






JIMTOF2022 ジェイテクトブース
株式会社ジェイテクト
2022年11月8日~ 13日
東京ビッグサイト(国際展示場)
こどもの視展
- ITOCHU SDGs STUDIO/こどもの視点ラボ
- September / 19 / 2022
- ITOCHU SDGs STUDIO
「こどもになって世界を見る体験」を通して、こどもとの暮らしや 社会の在り方について考える体験型展示
ITOCHU SDGs STUDIOで開催された、こども視点での体験を通して、こどもとの暮らしや社会の在り方について考える体験型展示「こどもの視展」。
こどもの当事者視点とはどんなものかを真面目かつ楽しく研究しているこどもの視点ラボ協力のもと、こどもにとっての「頭の重さ」「泣くしかできない会話」「朝食の大きさ」「時間の流れ方」「怒っている大人の見え方」「重すぎるランドセル」の6つの視点を体験を提供。電通ライブはデザイン・設計施工を担当した。
<展示内容>
・こどもの頭の重さを大人に換算した約21kgの“ベイビーヘッド”
・何を話しても泣き声に変換される“ベイビーボイス”
・大人の約2倍サイズのものを扱う2歳児から見た朝食風景“2歳の朝食”
・大人とは異なるこどもの時間感覚を写真を通して可視化した“いとちゃんの30分”
・4m級の巨大生物に見立てた大人に見下ろされて怒られるVR映像“4mの大人たち”
・ランドセルを大人サイズに換算した約18.9kgの“大人ランドセル”
こどもの視点を学ぶことができる展示として、各種メディアで大きな話題となり、多くの来場者が訪れた。






こどもの視展
ITOCHU SDGs STUDIO/こどもの視点ラボ
2022年7月22日~9月19日
ITOCHU SDGs STUDIO
「ドバイ万博日本館」建築設計チームが語る、「つなぐ建築」に込めた想い(前編)
- October / 06 / 2021
2021年10月1日、アラブ首長国連邦ドバイで「2020年ドバイ国際博覧会」(以下、ドバイ万博)が開幕しました。192カ国が参加するドバイ万博で、日本が出展する「日本館」は、「Where ideas meet アイディアの出会い」をテーマに、建築では日本と中東とのつながりを表現しています。
今回は日本館建築設計チームの永山祐子建築設計(デザインアーキテクト)の永山祐子氏、NTTファシリティーズ(マスターアーキテクト・意匠設計)の小清水一馬氏、Arup(構造・設備・ファサードエンジニアリング)の菅健太郎氏、電通ライブ(総合プロデュース)の關本丹青を迎え、日本館に込めた想いや完成までのエピソードを語り合ってもらいました。
日本と中東の文化的つながりを、ファサードで表現
―2020年ドバイ万博のメインテーマ「Connecting Minds, Creating the Future(心をつなぎ、未来を創る)」を受けて、日本館の建築で表現したことを教えてください。
永山:日本と中東の「Connecting=つながり」を、文化、環境、技術の3つの側面から表現することを考えました。
まず文化に関しては、中東の伝統的な文様である「アラベスク」と日本の「麻の葉文様」の類似性と、「シルクロードを介して両者の文化はつながっていたのではないか」というストーリーから発想を広げ、二つを掛け合わせた立体格子を考案しました。格子に約2,000枚の膜を張ることで、正面から見ると麻の葉文様なのですが、見る角度によって複雑なアラベスク文様が浮かび上がります。
環境と技術に関しては、「水」から着想しました。日本は水資源に恵まれた国で、中東では水=オアシスとして憧れの対象とされてきました。同時に、日本の水技術がドバイの生活や経済活動に不可欠な淡水の生成を支えてきたという背景もあります。そこで、建物の前面に水盤を設置し、水盤を通る風が気化熱で冷やされ、自然の涼しい風を建物に取り込めるようにしました。

永山祐子氏(永山祐子建築設計)
菅:改めてコンセプトを聞いてみると、最初に決めたコンセプトが完成まで一貫して変わっていないですよね。
永山:コンセプトは最初に提出した資料から変わっていません。徹夜してA4用紙に書き起こしたコンセプトがそのまま現実のものになりました(笑)。
關本:それって実は、奇跡的なことなんです。建築はコストや法律、工法など、さまざまな要因でコンセプトが変更されることは珍しくありません。最初のコンセプトがそのまま形になるのは稀なこと。クライアントやチームの皆さんのご理解とご協力があってこそ実現できたことだと思います。
小清水:はじめの打ち合わせで、永山さんからコンセプトをお聞きした時の衝撃は今でもよく覚えています。ファサードや水盤に込められた意図はもちろん、敷地を俯瞰で見ると建物や水盤の配置が日本古来の白銀比=二等辺三角形で構成されていることも含めて、細部にわたってストーリーがある。ぜひこのコンセプトを実現したいと思えたことが、プロジェクトの拠り所になった気がします。
關本:めざす北極星が最初に決まったことは大きかったですよね。

日本館の外観。アラベスクと麻の葉文様の類似性から着想を得た外装デザイン (2020年ドバイ国際博覧会日本館 提供)
慣習や美意識の違いを、対話で乗り越える
―今回は中東でのプロジェクトということで、現地の商習慣やカルチャーの違いを感じることはありましたか?
小清水:水盤上を通過した心地よい風が建物を通り抜けるように、共用空間を半屋外化したのですが、日本では縁側など半屋外空間が文化として定着していますが、ドバイでは空間を閉め切って空調をかけるケースも多かったので、そこは現地のエンジニアともかなり時間をかけて議論しました。

小清水一馬氏(NTTファシリティーズ)
菅:振り返ってみると、お互いのカルチャーをすり合わせる作業の連続で、そこが一番苦労した部分かもしれません。ただ、最初に強度の高いコンセプトが固まっていたおかげで、「このコンセプトを実現するためにはどんな方法があるのか?」という視点から議論がスタートできましたね。
關本:Arupは世界33カ国にオフィスを構え、ドバイにもオフィスがあります。今回、Arupドバイチームとも連携することで、両国間のすり合わせを円滑に進めることができました。

半屋外の空間。約2,000枚のテント膜が強い日差しを遮るとともに、柔らかな光と風を取り込む (2020年ドバイ国際博覧会日本館 提供)
―他にもドバイ側と調整をした部分はありますか?
菅:例えば、万博の展示物は最終的に取り壊される運命にあるので、リサイクルできる鉄を使いたいと考えていました。しかし、ドバイの建築は鉄筋コンクリート造が基本で鉄骨造の経験がほとんどなく、鉄のメリットや設計方法を理解してもらう必要がありました。

菅健太郎氏(Arup)
關本:現地の職人の方々の技術を生かしながら、日本人ならではの技術や繊細さを伝えていく作業は大変でしたね。まさに「Connecting Minds, Creating the Future」を日々、体感しながら生きていました(笑)。
小清水:美意識の違いもありました。ドバイの建築物は重厚で装飾も派手、水盤にも立派な噴水を設置するような美意識がありますが、日本はどちらかというと穏やかで自然との調和に美しさを見出す文化です。風が吹けば、揺らげばいい、という感じです。
永山:例えば、ファサードの膜の留め方も、風で揺れる程度に軽く留めて欲しいとオーダーしたのですが、「それは考え方が全く逆です!」と驚かれました(笑)。認識の違いが生まれるたびに、コンセプトと照らし合わせながら、一つひとつのすり合わせをていねいに積み重ねていきましたよね。

ファサードの膜はスプリングを使って柔らかに固定しており、 風が吹くと静かにたなびく (2020年ドバイ国際博覧会日本館 提供)
菅:私はドバイと日本をつなぐ立場でしたので、日本チームとドバイチーム、双方の考えや意図をどう紡ぐかという点に一番注力していました。文化的背景が異なれば阿吽の呼吸は通用しません。お互いに歩み寄る姿勢を持ち続けること、諦めずに対話し続けることの大切さを、今回のプロジェクトを通して改めて実感したと思います。
ドバイからグローバルスタンダートを吸収することも
―技術面で特に工夫したことはありますか?
菅:例えば、最初の考案ではファサードは二重の骨子を想定していたのですが、素材の数が多いことがボトルネックになっていました。そこで、ファサードエンジニアリングのチームで研究しながら試行錯誤を重ね、本数やコストを減らしながらも強度や意匠を保てるような組み方を考案しました。
小清水:コンセプトを維持しつつ、いかに現実の建築物として成立させていくかがポイントでしたよね。3Dソフトを用いてプログラミング的に設計を行い、このパラメータを変えると、このように見え方が変わる、と打ち合わせの場でライブ感のある検証・議論ができたことも良かったです。

フレーム形状や膜の配置を3Dで検証。3Dデータを施工者にも提供することで、複雑な情報伝達を正確に行うことができ、イメージ通りの空間を実現できた
永山:素材に関しても、消防上の規定で使える素材は日本よりも選択肢が少なかったので、試行錯誤した部分かもしれません。
關本:設計を進めている最中に現地の法律が変わり、急きょ設計を練り直すこともありましたよね。
小清水:逆にドバイがグローバルスタンダードで、日本のほうが特殊だったと気づかされることもありました。
關本:日本は災害大国なので建築に関する法律も災害を想定しています。一方、ドバイの法律はイギリスやアメリカから影響を受けているので、法律の成り立つ背景から違うんですよね。
菅:ドバイは色々な文化的背景を持つ方々が集う国でもあるので、ドバイからグローバルスタンダードの技術やアイデアを学ぶこともありました。
小清水:Arupのドバイチームも専門性が高く、みんなが誇りを持って仕事に取り組んでいるので、学ぶことは多かったです。また、ファサードはドイツのファブリケータが製作をしましたが、彼らに設計時の3Dデータを渡すことで、複雑な情報伝達を正確に行うことができ、イメージ通りの空間を実現できました。実は先述の風に揺らぐ膜の固定方法も、彼らからの提案を採用しました。技術力の高い海外のファブリケータに出会えたことも「つなぐ建築」を感じた出来事でした。
關本:日本館は、2025年の大阪・関西万博に向けて未来をつなぐこともテーマの一つですが、大阪・関西万博でも諸外国と日本との文化的・法律的なすり合わせは必ず必要になるので、今回そのナレッジやノウハウを蓄積できたことは日本にとって大きな意義があると思います。

關本丹青(電通ライブ)
後編では、コロナ禍での建築や日本館建築設計チームとして得られた学びについて語り合います。

永山 祐子(ながやま ゆうこ)
永山祐子建築設計 代表
1975年生まれ。昭和女子大学生活美術科卒業後、青木淳建築計画事務所に入社。2002年、永山祐子建築設計設立。
永山祐子建設設計:https://www.yukonagayama.co.jp/

小清水 一馬(こしみず かずま)
NTTファシリティーズ カスタマーソリューション本部 コンサルティング室 主査
1987年生まれ。首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 建築学域 修士課程修了後、NTTファシリティーズに入社。
NTTファシリティーズ:https://www.ntt-f.co.jp/https://www.ntt-f.co.jp/
「ドバイ万博日本館」建築設計チームが語る、「つなぐ建築」に込めた想い(後編)
- October / 06 / 2021
アラブ首長国連邦ドバイで2021年10月1日〜2022年3月31日にかけて開催される「2020年ドバイ国際博覧会」(以下、ドバイ万博)。
「日本館」の建築設計チームに建築に込めた想いをお聞きした前編に引き続き、永山祐子建築設計(デザインアーキテクト)の永山祐子氏、NTTファシリティーズ(マスターアーキテクト・意匠設計)の小清水一馬氏、Arup(構造・設備・ファサードエンジニアリング)の菅健太郎氏、電通ライブ(総合プロデュース)の關本丹青が、コロナ禍での建築や今回のプロジェクトで得られた学び、今後に向けた意気込みを語り合いました。
お互いに知恵を持ち寄り、ワンチームで課題解決に挑む
―今回は複数の組織が協働するプロジェクトでしたが、建築設計チームの日々のコミュニケーションはどのように行っていたのでしょうか?
關本:毎週定例会を開催していたのですが、ドバイをはじめとする関係各所との調整事項は多岐にわたるため、毎日メールや電話、時には個別の打ち合わせをセッティングして、かなり濃密にやりとりを重ねました。この数年間ずっと合宿していたような気分です(笑)。
小清水:日々、目まぐるしく状況が変わるからこそ、リアルタイムで情報共有と調整を行うこと、そのスピード感が求められる仕事だったと思います。
菅:大きな調整事項が発生するたびに、NTTファシリティーズがプランニングやスケジュールを立て直して、調整できるところを検討してくれましたよね。組織力や機動力に助けられたことが何度もありました。
小清水:乗り越えなければならない課題はたくさんありましたが、それぞれ皆さんが前向きに議論し課題解決に向けて取り組むことで、チームの結束やパワーも高まったように思います。
永山:大きなプロジェクトでスケジュールもタイト、調整しなければならないことも大量に発生するからこそ、それぞれ役割分担がありながらも、あまり立場にとらわれず知恵を持ち寄り、ワンチームで問題解決に取り組むことが大切だと思いました。
關本:やはり、全方位的な信頼関係を構築しないと成立しない仕事だと改めて感じます。信頼関係があるからこそ、お互いの立場が違う中でもフラットに意見を言い合えて、建設的な議論を重ねることができたと思います。
信頼関係があったからこそ、コロナ禍のデジタルシフトもスムーズに
―今回は新型コロナウイルス感染症の影響で、約1年間の延期を経ての開催となりました。コロナ禍での作業はいかがでしたか?
關本:それまでは毎月ドバイに足を運んでいたのですが、コロナ禍で現地に行くことができなくなりました。それでも施工は続くので、オンラインチャットツールや3Dデータを介してドバイ側とやりとりを続けました。すでに現地のメンバーとは頻繁に顔を合わせて信頼関係が構築できていたので、オンラインのコミュニケーションにもスムーズに移行できました。
小清水:私も現場に行けない状況でプロジェクトを進めることは初めての経験でした。その中でも、WEB上での情報管理システムの導入や、完了検査のリモート実施など、デジタルツールをうまく活用しながら進めることができたと思います。

360度カメラを用いたリモート検査システム等を活用し、フルリモートでの竣工検査を実施
―完成を迎えた時は、どのような心境でしたか?
永山:このメンバーで完成後に現地に赴いたのはまだ私だけなのですが、日本で思い描いていた姿がディティールに至るまでそのまま再現されていることに、シンプルに感動しました。しかも海外で、現地に行けない環境の中で実現できたのは本当に奇跡的なことだなと。
菅:写真を見て、その完成度の高さに「本当にパースの通りにできたんだ」と驚きました。ドバイのメンバーからも「アメージング!」という感想が続々と届いています(笑)。そういった反響があると、頑張って良かったなと思いますね。バーチャルが浸透しつつある世の中ですが、物理空間を作ることの価値を実現することができた気がします。
關本:素敵な写真でしたよね。台形の敷地に二等辺三角形の建物を建てたことで、引きで写真が撮れます。SNSの時代に、日本館が世の中にどう発信されていくのか、PRも意識した建築を実現できたことは大きなポイントだと思います。

ライトアップされた日本館。ファサードの陰影が水盤に映り込む(2020年ドバイ国際博覧会日本館 提供)

日本館 ファサード(2020年ドバイ国際博覧会日本館 提供)
小清水:スマホがあれば何でも情報が手に入る世の中ですが、菅さんが「物理空間を作ることの価値」とおっしゃるように、やはり実空間での体験や感動は、いつまでも心に深く刻まれると思います。それが万博の醍醐味、ひいては建築空間そのものの価値だと思うので、ぜひ来場される皆さんに、実空間でしか得られない体験をしていただけると嬉しいです。
關本:コロナ禍でオンラインやデジタルシフトが加速していますが、その場にいるからこそ得られる感動はいつの時代も残り続けると思います。そのような感動を体感できる建物になったと自負しているので、現地に行ける方はぜひ足を運んでいただきたいです。
蓄積したナレッジやノウハウを、2025年に紡ぐ
―今回のプロジェクトを通して得られた学びを、今後どのようなことに生かしていきたいでしょうか?
菅:今回は日本の技術をドバイに持ち込む形でしたが、次回の大阪・関西万博は世界中の技術が日本に入ってきます。当然ながら、文化や慣習のすり合わせが必要になりますし、建築なら工法や役割分担の考え方、法律面の違いも出てきます。この機会に日本の建築業界全体が世界中のナレッジやノウハウを吸収して、グローバルマーケットにも対応できるように変わっていくといいなと思います。
小清水:万博は実空間でのイベントですが、今後はデジタルなバーチャル空間との掛け合わせが大きなポイントになることは間違いありません。デジタルツインの世界においても、今回の日本館のように日本らしい価値観に基づき、新たな出会いや感動が生まれる空間を紡いでいきたいと思います。
永山:今回、プロジェクトに携わりながら「万博って何だろう?」と何度も議論を重ねました。新しい技術や文化を共有することは大切ですが、同時にテーマ性も問われる時代です。世の中の大きな変革を経て、きっと次の大阪・関西万博は新しいカタチが問われるのかなと思っています。
關本:確かに今後、万博の意義は変わってくるかもしれません。それでも、文化的背景が異なる人たちが交わり、時には試行錯誤しながら、感動する場を作ることになるのは変わらないので、それを2025年に体感できる日本は恵まれていると思います。私たちも今回の経験を紡いで、その場に携われたら嬉しいですね。

永山 祐子(ながやま ゆうこ)
永山祐子建築設計 代表
1975年生まれ。昭和女子大学生活美術科卒業後、青木淳建築計画事務所に入社。2002年、永山祐子建築設計設立。
永山祐子建設設計:https://www.yukonagayama.co.jp/

小清水 一馬(こしみず かずま)
NTTファシリティーズ カスタマーソリューション本部 コンサルティング室 主査
1987年生まれ。首都大学東京大学院 都市環境科学研究科 建築学域 修士課程修了後、NTTファシリティーズに入社。
NTTファシリティーズ:https://www.ntt-f.co.jp/

菅 健太郎(すが けんたろう)
Arup 東京オフィス 環境設備リーダー
1977年生まれ。東京大学大学院 工学系研究科 建築学専攻 修士課程修了後、久米設計に入社。2009年からArupに勤務。
Arup: https://www.arup.com/ja-jp/offices/japan

關本 丹青(せきもと みお)
電通ライブ クリエーティブユニット 2025大阪・関西EXPO部
1977年生まれ。東京工業大学大学院 理工学研究科 建築学専攻 修士課程修了後、アトリエ・ワンに入社。2013年から電通、2017年から電通ライブに勤務。
電通ライブ: https://www.dentsulive.co.jp/wordpress/
#Column
2017/08/08
デジタルコミュニケーションで、人類を前進させる:杉山知之(後編)
2022/11/08
まわり、まわって。 Vol.1 PRINT&BUILD 浅子佳英氏
『建築と編集の、まわり。』
2017/08/15
2017/08/22